【アーティストビザの話⑥:事件】

sunaeartist

無事アーティストビザを取得できたものの、2週間後にとある事件に巻き込まれた女の話は続きます。

【アーティストビザの話①:ビザとは】
【アーティストビザの話②:弁護士探し】
【アーティストビザの話③:スポンサー探し】
【アーティストビザの話④:推薦状&過去の資料収集】
【アーティストビザの話⑤:結果】

よぉーし!これから頑張らねばな!と気合いを入れて2週間が経った頃、友達から一通のメールが届きました。

『ビザどうなった?!』

バタバタしていてすっかり連絡が遅くなってしまったことを謝りつつ、『無事取れたよ!』と返信し、その後返ってきたメールを見て青ざめました…

『なら本当に良かった!ナオシが手続きした弁護士事務所、夜逃げしたみたいだから心配したよー』

うぇえぇっーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

こんなこと現実に起こる!?!?!と本当に信じられない気持ちで、急いで弁護士事務所に電話をかけてみるも、休業のアナウンスが流れるだけでつながらず。ロサンゼルスのコミュニティー掲示板があるのですが、そこでは手続き作業中の人たちが大騒ぎ!そりゃそうだ!だって大金を払って手続きも終わってないまま、書類も手元に残らず音信普通になるなんて、完全なる詐欺事件です!

わたしは審査が終わり許可証の書類をもらったのでギリギリセーフでしたが、申請時に提出した10センチの書類はまだ受け取っていなかったのでそれは全て消えてしまいました…
他の人に比べたら不幸中の幸いという感じでしたが、何かが一歩ズレていたらわたしの身にも起こっていたことだと思うと本当に青ざめました…

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そして、その年の暮れにパスポートのビザのステータスの切り替えで緊張しながら日本に帰りました。日本にあるアメリカ大使館にて面接をしないといけないですが、ここで落とされたらアーティストビザを持っていてもアメリカに帰ることはできないのです。どこまでも厳しいビザシステム。
(実際面接で落とされたという人の話も聞ききました。)

面接当日。割と早い時間に行きましたが、わたしの番号はいっこうに呼ばれることなく、気づけば100席以上ある席にわたしともう1人の2人のみ残されることとなりました。
『何が起こっているのか。』と心臓をばくばくさせながら待っていたら、やっと名前を呼ばれました。そして第一声、

『どうしてあの弁護士を使ったのですか?』

なんとー!!!!!嫌な予感的中!!!!!
詐欺弁護士を通じて得たビザということでわたし自身の申請書類が怪しまれていたのです!ちょっと待ってよー!!!そして説明する間もなく『今すぐに結果は出せませんので。』と詳細が書かれた紙を受け取り茫然…
せっかくあの高い山を越えることができたと思っていたのに、頂上の大きな穴に落ちた気分…
なんとか自分で集め直した書類を面接官に渡し、絶望に打ちひしがれながら帰宅。

その数日後、大使館の方から電話がかかってきていくつか追加の質問を受け、『わたしは本当に何も知らないんです…』と言うと『大変でしたね…』と声をかけていただき数日後、無事ステータス切り替えに成功しアメリカに戻れることになりました!!!!!
二度も審査される事態になってしまいましたが、無事頂上の穴から抜け出すことができました!
なんという波乱万丈ビザ人生!日本にいたら全く味合わなくていいこの苦しい作業!

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というわけで。
長きにわたる”アーティストビザ取得への道ブログ”これにて終了です。
ビザの期限は3年で、都度同じ作業をすると(スポンサー探し、推薦状、良い活動経歴の証明)また3年更新できるのですが、同じ作業を経て2度目のビザ取得に成功しました!
今回の弁護士費用は自分で払うことができたので、人生で初めて『自分のことを心からほめてあげたい!』と思いました。笑
経歴上、常に良い展開を目指さないと得られないビザなので、次も更新できるか正直わかりません。が、後悔のないようにだけ3年間全力で走り続けていきたいと思っています。

長々と読んでいただきありがとうございました!
最中は地獄でしたが、なんとか乗り越えられてよかったです!

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【最後に】

2回目の申請の際に再び友達に弁護士を紹介してもらいましたが、3人中1人にしぼり『よぉーし!お願いメールを送ろう!』と思った矢先に紹介してくれた友達からメールが届きました。

『弁護士決めちゃった!?実はこないだ教えた弁護士に逮捕状が出たみたいで…』

 

『・・・・・・・・・』

 

こうしてすっかり人間不信になりました。

(おしまい)